集中力が続かないのには原因がある？子ども・保護者ができる対処法まとめ

子どもが勉強に集中できない、集中力が続かないのには、生活リズムの乱れや勉強する環境が整っていないなどの原因があるかもしれません
この記事では、なぜ子どもの集中力が続かないのか、その原因を解説し、すぐに試せる対処法を紹介します。
お子様自身ができる簡単な集中力アップの方法から、保護者の方がサポートできる環境づくりや食事の工夫まで、具体的にご紹介します。

なぜ子どもの集中力は続かない？考えられる5つの原因

子どもの「集中力が続かない」という悩みには、さまざまな原因が考えられます。
勉強への意欲だけでなく、子ども自身の体調や周囲の環境が大きく影響しているケースも少なくありません。
ここでは、小学生・中学生の子どもの集中力が続かない主な原因を5つの側面から解説します。

集中力が続かない原因①：生活リズムの乱れ

集中力が続かない最も大きな原因の一つが、睡眠不足です。
子どもの脳と体の成長にとって質のよい睡眠は不可欠であり、睡眠が足りていないと脳が疲弊したままになります。
生活リズムが乱れて慢性的な睡眠不足に陥ると日中の勉強中に強い眠気や倦怠感を感じやすくなり、これが集中力が続かない直接的な原因となります。

集中力が続かない原因②：栄養バランスの偏り（脳のエネルギー不足）

脳が活動するためのエネルギーが不足していることも、子どもの集中力が続かない原因になります。
脳はブドウ糖を主なエネルギー源としますが、朝食を抜いたり栄養バランスが偏った食事を続けたりすると、脳に必要な栄養が行き渡りません。
勉強をしようとしても、脳がエネルギー切れの状態では思考力が低下し、集中力を維持できなくなります。

集中力が続かない原因③：勉強する環境が整っていない

子どもの集中力が続かないのは、勉強する環境が原因かもしれません。
机の周りに漫画やゲームが置いてあったり、テレビの音や家族の話し声が聞こえたりする環境では、どうしても意識が逸れてしまいます。
子どもの視界や耳に入る情報が多すぎると注意が散漫になり、目の前の勉強に集中できなくなってしまいます。

集中力が続かない原因④：他に気になること（悩みやストレス）

精神的な要因も、集中力が続かない原因として見逃せません。
学校での友人関係や勉強の遅れ、部活動などに関する悩みやストレスを抱えていると、頭の中がそのことでいっぱいになります。
その結果、目の前の勉強に意識を向けることが難しくなり、本人は集中しようとしていても気持ちが入らず意識が散漫になります。

集中力が続かない原因⑤：スマートフォンやゲームによる刺激

スマートフォンやゲームから受ける強い刺激は、集中力が続かない現代特有の原因です。
短時間で次々と新しい情報や快感が得られるため、脳が「強い刺激」に慣れてしまいます。
その結果、読書や勉強といった静かで持続的な集中を必要とする活動を「退屈」と感じやすくなり、すぐに飽きてしまうのも原因の一つに挙げられます。

子どもが自分でできる集中力を高める対処法

集中力が続かない5つの原因を踏まえて、まずは子どもが自分自身でできる対処法から始めてみましょう。
ここでは、先に挙げた原因に対応する「自分でできる集中力アップの工夫」をご紹介します。
保護者の方がお子様に教えてあげる際の参考にしてください。

自分でできる対処法①：「眠気」が来たら体を動かしてリセットする

睡眠不足が続くと、勉強中にどうしても眠くなってしまいます。
眠いまま机に向かっても集中力は続きません。

眠気を感じたら、一度立ち上がって大きく背伸びをしてみましょう。
その場で軽くジャンプしたり、冷たい水で顔を洗ったり、窓を開けて大きく深呼吸するのも有効な対処法です。
ただし、子どもの推奨睡眠時間（小学生9～12時間、中学生8~10時間）を下回るような無理はせず、睡眠時間の確保を第一優先に眠気への対処法を試してみましょう。

自分でできる対処法②：勉強前に「脳のエネルギー」を補給する

空腹で脳のエネルギーが足りないと、集中力が続かない原因になります。
もし勉強前にお腹が空いていたら、お菓子やジュースではなく、バナナ半分やナッツ、チーズなど糖分やビタミンB群を含む「勉強のためのおやつ」を少しだけ食べる対処法を試してみましょう。
もちろん、日々の栄養バランスは保護者の方のサポートが必要ですが、「勉強直前のエネルギー補給」は子ども自身でも意識できます。

自分でできる対処法③：「勉強する環境」を自分で作る

集中力が続かない大きな原因は、勉強する環境が整っていないことです。
机の上に大好きな漫画やゲーム機が置いてあると、無意識に意識がそれてしまいます。
勉強を始める前に、まず机の上を片付け、「今から使う教科書・ノート・筆箱」だけを置くルールを徹底しましょう。
視界から誘惑を消すだけで目の前の勉強に集中しやすくなります。これはお子様が自分でできる最も簡単な対処法です。

自分でできる対処法④：「やることリスト」で不安を消す

「やることが多くて何から手をつければいいか分からない」という不安やストレスも、集中力が続かない原因です。
その対処法として、勉強を始める前に「やることリスト」を紙に書き出してみましょう。
「漢字ドリルを2ページ」「計算問題を10問」など、具体的に書くことがコツです。
やるべきことが「見える化」されると不安が減り、目の前の勉強に集中しやすくなります。
終わったら線で消していくと達成感が得られて、意欲の向上にもつながります。

自分でできる対処法⑤：勉強前にスマホを「物理的に」遠ざける

スマホやゲームは集中力にとって最大の敵です。
保護者と一緒にルールを作ることも大切ですが、お子様自身ができる対処法として「物理的に遠ざける」ことも効果的です。
勉強を始める前に、「スマホをリビングの充電器に挿しに行く」「勉強部屋には持ち込まない」と決めて行動しましょう。
たったこれだけでも、通知音で集中力が途切れたり、つい手に取ってしまったりする原因を断ち切ることができ、勉強に集中しやすくなります。

保護者ができる子どもの集中力を高める具体的な対処法

努力だけでは解決が難しい問題も多く含まれます。
特に「睡眠」「栄養」「環境」といった生活の土台となる部分は、保護者の方のサポートが不可欠です。
ここでは、5つの原因それぞれに対応した保護者の方ができる具体的な対処法をご紹介します。

保護者ができる対処法①：子どもに合った「睡眠時間」を確保する

子どもの集中力が続かない最大の原因とも言える「睡眠不足」は、保護者の方のサポートが最も必要な対処法です。
小学生は9〜12時間、中学生は8〜10時間の睡眠が推奨されています。
まずは就寝時間を決め、その時間になったらテレビやリビングの電気を消すなど、家族全員で「寝る環境」を作ることが大切です。
お子様が安心して質のよい睡眠をとれるよう、生活リズムを一緒に整えてあげましょう。

保護者ができる対処法②：集中力を支える「栄養バランス」を整える

脳のエネルギー不足で集中力が続かないお子様には食事面での対処法が有効です。
特に朝食は脳を目覚めさせるために非常に重要です。
脳のエネルギー源である炭水化物(ご飯やパン)だけでなく、集中力維持を助けるタンパク質(卵や魚、大豆製品)やビタミン・ミネラル(野菜や果物)をバランスよく摂れる献立を心がけましょう。
勉強の合間のおやつもスナック菓子ではなく、ナッツ・チーズ・小魚などに置き換えると効果的です。

保護者ができる対処法③：子どもが「勉強だけ」に集中できる環境を作る

子どもが勉強する環境は保護者の方が意識的に整えてあげる必要があります。
「リビング学習」が合っている子どももいれば、「静かな自室」でないと集中力が続かない子どももいます。
どちらの場合でも、勉強スペースの周りには漫画やゲーム機を置かないルールを徹底しましょう。
また、テレビの音量を下げる、勉強中は大きな声で話しかけないなど、家族が協力して「集中できる環境」を作ってあげることが何よりの対処法となります。

保護者ができる対処法④：子どもの話を「聞く」時間を作り、安心させる

学校での悩みやストレスが原因で、勉強に集中力が続かない子どもも多いです。
保護者の方は「勉強しなさい」と声をかける前に、まずは子どもの話をゆっくりと聞く時間を作りましょう。
「最近学校はどう？」と優しく問いかけ、子どもが話したがらない時は無理に聞き出さず、「いつでも聞くよ」という姿勢を見せることが大切です。
子どもが安心感を持ちストレスが軽減されることが、結果として勉強への集中力を取り戻す最善の対処法となります。

保護者ができる対処法⑤：「スマホ・ゲーム」の利用ルールを一緒に決める

スマホやゲームが原因で集中力が続かない場合、子ども任せにするのではなく、保護者の方が明確な対処法を示す必要があります。
一方的に禁止するのではなくお子様と話し合ってルールを決めることが重要です。
「勉強中はリビングの充電器に置いておく」「夜9時以降は使わない」「スクリーンタイム機能で利用時間を制限する」など、具体的なルールを設定しましょう。
家庭内で一貫した環境を作ることが、子どもを強い刺激から守り、集中力を育むサポートになります。

子どもの集中力が続かないのはなぜ？集中力を高める対処法｜まとめ

子どもの「集中力が続かない」という悩みには、睡眠不足や勉強する環境、ストレスなど一つではなく、さまざまな原因が絡み合っていることが多くあります。
大切なのは、その原因を決めつけずお子様の状態に合わせて一つずつ対処法を試してみることです。

この記事でご紹介した子ども自身ができる工夫や、保護者の方がサポートできる環境づくりや生活習慣の対処法など親子で一緒に取り組めることから、ぜひ始めてみてください。