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大学受験の仕組みは?選抜方法の違いや流れを分かりやすく解説

2025.05.27

大学受験を控える高校生や保護者の方は、入試制度の仕組みについて不安や疑問を抱えているかもしれません。
共通テストや一般選抜、学校推薦型選抜など、さまざまな入試方式が存在し、国公立大学と私立大学では選考方法も異なります。
この記事では、大学受験の仕組みを分かりやすく解説し、どのような流れで受験するのかについてご紹介します。

大学入学共通テスト(共通テスト)とは

大学受験において重要な位置を占める大学入学共通テスト(以下、共通テスト)は、多くの大学が入学者選抜に利用する全国共通の試験です。
2021年度から、従来の「センター試験」に代わって導入されました。大学受験の仕組みを理解するために、まずはこの共通テストについて詳しく見ていきましょう。

共通テストの概要

共通テストは毎年1月中旬に行われ、令和8年は、1月17日(土)、18日(日)に実施されます。
試験教科・科目は国語・地理歴史・公民・数学・理科・外国語・情報の7教科21科目で構成されます
ただし、志望する大学・学部・受験形式によって必要な科目は異なるため、大学受験生は、自分の志望校が要求する科目を事前に確認することが大切です。

2025年度からの「新課程」入試の変更点

2025年度入試から、高等学校の新学習指導要領(新課程)に対応した出題に変更されました。大学受験の仕組みもこれに伴い変化していますので、分かりやすく主な変更点を説明します。

国語の変更点

「現代の文章」が2題から3題となり、110点分となっています。「古文」が1題となり、45点分で「漢文」が1題となり、45点分となりました。また試験時間も90分へ変更となっています。

新科目「情報」が追加

2025年度入試から、新たに「情報I」が追加されました。「情報I」は、国公立大学の入試において、多くの大学で受験が求められる科目となっています。
ただし、中には「受験は義務だが得点には反映しない」とする大学もあるため、志望校での取り扱いを事前に確認しておくことが大切です。

出願が電子化に

令和8年度の大学入学共通テストからは、出願手続きが原則すべてオンライン化され、専用の出願サイト上で行う方式に変更されます。
これに伴い、従来のような郵送での出願はできなくなるため注意が必要です。また、高校生を含むすべての志願者が、自分自身で手続きを行う必要があります。
なお、試験の詳細が記載された『受験案内』は令和7年6月中旬に大学入試センターのウェブサイト上で公開予定となっているため、必ず最新の情報をチェックしましょう。

学校推薦型選抜(指定校推薦・公募推薦)について

大学受験の仕組みの中で、共通テストを利用した一般選抜の他に、大学には特別選抜の制度があります。ここでは、特別選抜の主な形態である学校推薦型選抜と総合型選抜について説明します。

学校推薦型選抜(推薦入試)

学校推薦型選抜は大学が指定した高校の生徒のみが出願できる指定校推薦と大学が定める出願条件を満たしていればどの高校からでも出願ができる公募推薦があります。指定校推薦では評定平均が4.0以上のところが多く、公募制一般選抜では評定平均が3.5以上のところが多いです。
選考は面接や小論文が中心で、国公立大学では共通テストも課される場合があります。合格すると入学が義務付けられる(専願制)ため、志望度の高い大学への受験に適した制度です。

総合型選抜(旧AO入試)

総合型選抜は、「大学が求めている学生を選抜する」入試方式です。学力試験だけでなく、志願者の意欲や適性、将来性などを多面的に評価して合否を決めますが、その際に重要になるのが大学のアドミッション・ポリシー(入学者受け入れの方針)に当てはまる人物かどうかという視点です。大学受験の仕組みの中でも比較的新しい選抜方法です。
志望理由書やエントリーシートの提出が必要で、自分の強みや志望動機を明確に文章で表現する力が求められます。
面接、プレゼンテーション、グループディスカッションなど多様な選考方法が用いられ、コミュニケーション能力や思考力、表現力などが総合的に評価されます。

国公立大学の受験方法と流れ

大学受験の仕組みは大学の種類によっても異なります。ここでは、国公立大学の入試制度について分かりやすく解説します。国公立大学の入試制度は、主に「共通テスト」と「二次試験(個別学力検査)」の2段階で構成されています。

国公立大学の入試の特徴

国公立大学の一般選抜では、共通テストで大学が指定する科目(国公立の場合原則6教科8科目)を受験する必要があります。
二次試験では大学独自の応用問題や記述式問題が出題され、共通テストより難度が高くなります。
前期日程から1つ、後期日程から1つ、合計2つの大学に出願し、受験することが可能です。注意点として、出願締め切り日は前期日程も後期日程も一緒であることが挙げられます。

国公立大学受験の流れ

大学ごとにスケジュールが違うので、必ず自分が受験する大学の日程を確認しましょう。
国公立大学を受験する場合は、基本的に以下のようなスケジュールで進みます。

出願書類の準備(11月〜12月)

必要書類や出願資格を確認し、志望校を決定します。この時期に志望校の情報収集をしっかり行うことが重要です。
受験に必要な書類や出願資格、出願期間などを調べておきましょう。また、過去問題を入手して傾向を把握し、対策を立てることも重要な準備となります。

共通テストの受験(1月中旬)

全国一斉に実施される共通テストを受験します。この結果が国公立大学受験の第一関門となります。
共通テストの成績により、志望校の選択が左右されるため、しっかりと対策を立てることが重要です。特に新課程入試では出題傾向の変化にも注意が必要です。

出願(1月下旬〜2月上旬)

共通テストの自己採点結果をもとに、志望校への出願手続きを行います。出願期間は大学によって異なるため、しっかり確認しましょう。

二次試験(2月下旬〜3月上旬)

各大学で実施される個別学力検査を受験します。試験内容は大学・学部によって異なるため、過去問などで傾向を把握しておくことが大切です。

前期日程・中期日程・後期日程について

国公立大学の二次試験は、実施日によって「前期日程」「中期日程」「後期日程」に分かれています。この仕組みを理解することは、大学受験戦略を立てる上で重要です。

前期日程の特徴

2月25日前後に実施され、最も募集人員が多いのが特徴です。国公立大学志望者の多くがこの日程を第一志望として受験します。
前期日程は競争率が高い傾向にありますが、その分、合格のチャンスも多いと言えるでしょう。

中期日程の特徴

3月上旬に実施されますが、実施する大学は限られています。中期日程を設けている大学は少数ですが、前期と後期の間に受験できるため、受験機会を増やす選択肢となります。

後期日程の特徴

後期日程は3月中旬に行われます。後期日程は募集人数が限られているため、倍率が高くなりやすい傾向にあります。
ただし、前期で合格した受験生や私立大学への進学を決めた受験生が出願を控えることもあるため、実際の競争率は見かけよりも低くなる場合があります。
とはいえ、限られた枠をめぐる戦いには変わりないため、十分な対策をして臨むことが大切です。

私立大学の受験方法と流れ

私立大学は様々な入試方式を設けており、自分の強みを活かせる方法で受験することが可能です。
ここでは一般選抜だけでなく、特別選抜を含めた私立大学の入試制度について詳しく見ていきましょう。

私立大学の入試の特徴

私立大学の一般選抜には、いくつかの特徴があります。これらの特徴を把握することで、効率的な大学受験計画を立てることができます。

一般入試の特徴

私立大学の一般入試では、大学独自の試験問題による選抜が行われ、各校で傾向や難易度が大きく異なります。
受験科目は国公立大学より少なく、2〜3科目での受験が多いのが特徴です。
多くの私立大学では複数の入試日程(A日程、B日程など)を設定しており、同じ大学に複数回チャレンジできます。また、科目選択制を採用している大学も多く、得意科目を活かした受験が可能です。

共通テスト利用入試の特徴

共通テストの成績を利用した選抜もあります。私立大学独自の試験を受けることなく、共通テストのスコアだけで合否が決まる制度です。
複数の大学に同時に出願できるため、効率的に受験機会を増やせる点が大きなメリットとなっています。

学校推薦型選抜(推薦入試)

私立大学の多くは学校推薦型選抜を実施しており、高校での成績や部活動等の実績をもとに推薦を受けて受験します。
この入試は11月〜12月と早い時期に実施され、早めに進路が決まるメリットがあります。
「指定校推薦」は大学が特定の高校に割り当てる枠で、「公募推薦」は条件を満たせば誰でも応募できる制度です。
選考は書類審査、面接、小論文が中心で、学力試験を課さないケースも多いです。

総合型選抜(旧AO入試)

私立大学では総合型選抜(旧AO入試)も広く実施されています。学力試験だけでなく、志願者の意欲や適性、課外活動、特技などを多面的に評価する入試制度です。
自分の個性や特徴をアピールできる機会があり、学力以外の強みを持つ受験生に向いています。
総合型選抜の選考方法は大学によって様々で、志望理由書や活動報告書の提出、面接、プレゼンテーション、グループディスカッションなどが行われます。
複数段階の選考を経て合格が決まるケースが多く、一般入試より早い時期から出願が始まります。

私立大学受験の流れ

私立大学を受験する際の基本的な流れは以下の通りです。大学受験の仕組みを理解し、計画的に準備を進めましょう。

出願書類の準備・志望校決定(11月〜12月)

必要書類や出願資格を確認し、志望校や受験日程を決定します。私立大学は併願が可能なので、複数の大学を検討しましょう。志望校の選定においては、偏差値や入試科目だけでなく、学びたい内容や卒業後のキャリアなども考慮して総合的に判断するとよいでしょう。

共通テストの受験(希望する場合)(1月中旬)

共通テスト利用入試を利用する場合は、共通テストを受験します。私立大学受験のみの場合でも、共通テストは選択肢を広げるため受験しておくとよいでしょう。

出願(12月〜2月)

私立大学は大学によって出願期間が異なりますが、一般的に12月から2月にかけて出願手続きを行います。近年ではWeb出願が主流になっています。

学校推薦型選抜の流れ

学校推薦型選抜の出願・選考は主に10〜11月にとなっています。
公募制推薦は、私立大は6月下旬、国公立大は7月下旬から募集要項が公開され、出願は11月以降、選考は11月、合格発表は12月が一般的です。
指定校推薦は、6〜8月に校内で情報が公開され、7〜10月に校内選考、10月に推薦者決定、11月に出願・選考、12月に合格発表が行われます。
なお、大学ごとにスケジュールは異なるため、志望校の情報は早めに確認しておきましょう。

総合型選抜の流れ

総合型選抜は、例年9月1日から出願が始まり、合格発表は11月1日以降に行われます。
一般選抜や学校推薦型選抜に比べてスケジュールが早いため、準備や対策も前倒しで進めておくことが大切です。
また、大学によっては出願の条件としてオープンキャンパスや説明会への参加が必須となっている場合もあるため、志望校が決まり次第、これらのイベントにはできるだけ早めに参加しておきましょう。

通信制高校生の大学受験

通信制高校に通う生徒も、通常の高校生と同様に大学受験が可能です。ここでは、通信制高校生が大学受験をする際の特徴や注意点について分かりやすく説明します。

通信制高校生の大学受験の特徴

通信制高校生も、基本的には全ての入試制度を利用することができます。大学受験の仕組みに違いはありませんが、いくつか注意点があります。

共通テストの受験について

通信制高校生も一般高校生と同様に受験可能です。通信制高校からも共通テストの受験案内が配布され、学校を通じて出願することができます。
ただし、学習環境が異なるため、自主的な学習計画を立てて対策を行う必要があります。

学校推薦型選抜の可能性

高校が推薦枠を持っていれば利用できます(学校によって状況は異なります)。
通信制高校の場合、指定校推薦の枠が全日制高校と比べて少ない傾向にありますが、公募推薦であれば条件を満たしていれば受験可能です。

通信制高校生の大学受験対策

通信制高校生が大学受験をする際の対策としては、いくつかのポイントが重要です。分かりやすく実践的なアドバイスをご紹介します。

学習計画を立てる

通信制高校では自分で学習を進める必要があるため、計画的な学習が特に重要です。日々の学習時間を確保し、教科ごとの学習計画を立てましょう。
通信制高校では定期的な授業がないため、自分で学習スケジュールを管理する力が求められます

サポート体制を活用する

通信制高校のサポート校や予備校を利用するなど、学習のサポートを受けることも検討するとよいでしょう。
分からないところを質問できる環境を整えることが大切です。

まとめ|通信制高校からでも大学進学は十分可能

通信制高校の卒業後の進路には、就職や専門学校進学、大学進学など様々な選択肢があります。
この記事で解説したように、通信制高校からでも大学進学は十分に可能であり、実際に多くの生徒が大学へ進学しています。
通信制高校生が大学進学を目指す場合、早めの進路決定と計画的な学習が重要です。
また、サポート体制が充実している通信制高校やサポート校の選択、自分に合った大学・学部の選定、基礎学力の向上と受験対策なども成功の鍵となります。
通信制高校での学びを活かして、大学進学という選択肢に挑戦してみることをおすすめします。

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