不登校はどう解決する?保護者向けに接し方・過ごし方・きっかけまとめ
2025.12.19
.png)
-
進学・進路でお悩みの方
個別相談会・オープンキャンパス
-
授業料・詳細を知りたい方
資料請求
お子さまが学校に行けず不登校の状態が続くと、「いつ解決に向かうのだろうか」「どのように支えればよいのだろうか」と、保護者様の不安が募るのは当然のことです。
解決に向かうタイミングは、お子さま一人ひとり異なるため、焦る必要は一切ありません。
大切なのは、この期間を「停滞」ではなく「次に進むための準備期間」と捉え、お子さまのペースを尊重することです。
この記事では、不登校の解決につながる心の充電期間の過ごし方、ご家庭での関わり方のヒント、そして多様な選択肢をご紹介します。
不登校の子どもの「心を回復させる」ための過ごし方
.png)
不登校の期間は、お子さまが心身に大きな負担を抱え、疲労が蓄積していることが考えられます。
学校へ行けない状況を責めるのではなく、まず家庭が何よりも安心できる場所であると示し、ゆっくり休める環境を整えることが、解決に向けた最初のステップです。
保護者の方が肯定的に向き合う姿勢が、お子さまの安心につながります。
エネルギーを充電する期間と捉える
お子さまが学校を休む間は、次へのエネルギーを蓄える大切な「充電期間」と捉えることも大切です。
保護者の方がその時間を肯定的に受け止めることで、お子さまは「休むことへの罪悪感」を抱かずに過ごしやすくなります。
心が少しずつ満たされてくると、お子さまは自ら次の行動を考えやすくなります。
そのためにも、まずは見守る姿勢を意識し、安心して過ごせる環境づくりから取り組むことが大切です。
生活習慣の乱れは最小限に抑える(昼夜逆転の防止)
心の休息は必要ですが、生活習慣が大きく乱れると、その後の体調や気力に影響が出やすくなります。
特に昼夜逆転は、学校や社会への復帰を考え始める際の負担を大きくしてしまいます。
無理強いは避けつつも、「朝は決まった時間に起きる」「食事を三食とる」など基本的な生活リズムを保てるよう、親子で話し合いながら決めていきましょう。
リズムを整えることは、お子さまの体調と心の安定に欠かせないポイントです。
不登校の解決に向けて子どもとの「対話」で大切にしたいこと
.png)
お子さまが少し落ち着きを取り戻し、対話のきっかけが見えてきたら、ゆっくりとコミュニケーションを試みてみましょう。
保護者の方との安心できる対話が、次の一歩や見えにくい原因を探る手がかりにつながる場合があります。
原因を無理に聞き出そうとしない
保護者として子どもが不登校になった理由をはっきり知りたい気持ちは自然なことです。
しかし、お子さま自身も不登校になってしまった理由やきっかけを言葉にできない場合があります。
学校での出来事を無理に聞き出したり、問い詰めるような関わり方は、お子さまの心を閉ざしてしまう原因となります。
原因の追及よりも、今お子さまが感じている不安や焦りに耳を傾ける姿勢を優先してください。
お子さまの気持ちや考えを否定せずに聞く
お子さまが不登校の理由や気持ちを話し始めたら、最後まで遮らずに聞いてあげましょう。
否定せずに聞くことで「受け入れてもらえた」というお子さまの安心感につながります。
たとえその内容が「甘え」や「逃げ」のように感じられたとしても、「そう感じているんだね」と、まずはその気持ちを肯定的に受け止める姿勢を大切にしましょう。
不安や焦りを子どもにぶつけない
不登校に直面する中で、保護者の方も将来への不安を抱えるのは当然です。
しかし、その不安をそのままお子さまに伝えてしまうと、お子さまが過度に責任を感じてしまう恐れがあります。
できるだけ落ち着いた態度で接することが、お子さまにとっての「心の安全地帯」となります。
不登校の子どもには「何をさせる」べき?
.png)
子どもが不登校になると「何をさせるべきか」「過ごし方はどうすればいいのか」と悩む場面が出てくるでしょう。
まずは、ゆっくり休息の時間をとり、お子さまのエネルギーが少しずつ回復してきたら、負担のない範囲で無理なく取り組めることから始めていきましょう。
好きなことを尊重したり、小さな成功体験を積み重ねたり、軽い運動を促したりすることが、お子さまの自信を取り戻すきっかけになります。
ここでは、ご家庭で取り入れやすい具体的な取り組みを紹介します。
好きなこと・興味のあることを尊重する
不登校の期間、ゲームや動画に熱中するお子さまも少なくありませんが、それを頭ごなしに否定するのではなく、まずは見守ってあげましょう。
今熱中していることは、お子さまの心を支えている大切なものかもしれません。
好きなことを続ける中で新しい目標が見つかったり、関連分野へ興味が広がったりすることもあります。
何をさせるか迷った時は「それ面白そうだね」「どんなところが好きなの?」と興味を示してあげることから始めてみてください。
お子さまの好きなことを一緒に楽しむ姿勢が、次のステップへの土台になります。
小さな成功体験を積み重ねる
学校に行けないことで自信を失っているお子さまも多いです。
その自信を少しずつ取り戻すために、日常の中で小さな成功体験を積み重ねていきましょう。
例えば、簡単なドリルを1枚だけ解く、食事の準備を手伝う、掃除や洗濯をする、玄関まで出てみるなどほんの小さなことで構いません。
ふとした時に家事をお願いしてみたり、できたら「ありがとう、助かった」と自然に感謝を伝えたりすることで、お子さまの自己肯定感も少しずつ育っていき、行動への活力を生み出すかもしれません。
日中の散歩など、軽い運動を促してみる
お子さまの気力が少し戻ってきたら、日中に外へ出てみるよう促すのも一つの方法です。
太陽の光を浴びることで体内時計が整い、気分も前向きになりやすくなります。
最初は近所を5分歩くだけでも十分です。
「ちょっとコンビニまで一緒に行かない?」「郵便出すついでに散歩しよう」など、用事のついでに誘ってみると自然に外出しやすくなります。
慣れてきたら少しずつ距離を伸ばしたり、学校の近くまで歩いてみたりすることで、不登校改善のきっかけになることもあります。
環境を変えてリフレッシュする
ずっと同じ環境にいると、気持ちが煮詰まってしまうこともあります。
お子さまの様子を見ながら、少し環境を変えてみるのも良いでしょう。
祖父母の家に泊まりに行く、日帰りで少し遠出をするなどいつもと違う場所で過ごす時間がよい刺激になることがあります。
家から離れることで気分がリセットされ、新しい気持ちで過ごせるようになるかもしれません。
「気分転換にどこか行ってみる?」とお子さまの意見を聞きながら、無理のない範囲で計画を立ててみましょう。
家庭以外の「第三者」と関わる
不登校の期間は親子だけの関係が濃くなり、お互いに息苦しさを感じることがあります。
そんな時は、家庭以外の第三者との関わりが良い気分転換になるでしょう。
祖父母や親戚、保護者の方の知人など、お子さまが安心して話せる大人との何気ない会話が、気持ちをほぐすきっかけになることもあります。
また、適度な距離のある大人との交流は、お子さまの視野を広げる良い刺激にもなります。
例えば祖父母の家に遊びに行く機会を作ったり、「○○さんが会いたがってたよ」と自然な形で第三者との接点を提案してみたりするとよいでしょう。
不登校が解決するきっかけとなりやすい時期
.png)
不登校の解決につながるきっかけには一定の傾向があります。
これらを知っておくことで、お子さまの小さな変化に気づいたときに、自然な形で次のステップへつなげやすくなります。
「この時期に必ず動かなければ」と焦る必要はありません。
大切なのは、お子さまが前向きな気持ちになれそうなタイミングを見逃さず、その時期に向けて少しずつ環境を整えていくことです。
以下では、不登校が解決に向かいやすい具体的な時期やきっかけと、それに向けた準備について紹介します。
新学期や長期休暇明けなどの節目
不登校の解決において最も大きなきっかけとなりやすいのが、4月の新学期や夏休み、冬休み明けなどの長期休み明けです。
クラス全員が一斉にスタートするタイミングであるため、「途中から入る気まずさ」や「自分だけが遅れている」という劣等感が軽減されます。
お子さま自身も「新学期からなら行けるかも」と気持ちを切り替えやすい時期でもあります。
このタイミングに向けて少しずつ生活リズムを朝型に戻したり、学校の話題を自然に会話に取り入れたりしておくとよいでしょう。
進級やクラス替えなどの環境変化
特定の友人との人間関係や担任の先生との相性が原因で不登校になっている場合、進級やクラス替えが大きな転機になることがあります。
苦手な相手と離れたり、話しやすい先生が担当になったりすることで、学校への抵抗感が和らぐこともあります。
環境がリセットされるこのタイミングは、お子さまにとって心機一転しやすい時期です。
可能であれば事前に学校に、クラス編成や座席配置などについて相談しておくと、お子さまが安心して新しい環境に踏み出しやすくなります。
修学旅行や体育祭などの学校行事
普段の授業には抵抗があっても、修学旅行や体育祭、文化祭などの特別なイベントなら「参加してみたい」と思えることがあります。
行事への参加をきっかけに、クラスメートとの交流が自然な形で復活し、その流れで教室に戻れるようになる場合もあります。
最初からフルで参加せずとも、体育祭の応援だけ、文化祭の準備だけといった部分的な参加でも十分です。
行事を通して楽しい思い出を作ることで学校に対するイメージが少しずつ変わっていくかもしれません。
学校復帰だけではない!不登校の「解決」と多様な選択肢

不登校の解決は、元の学校の元のクラスに戻ることだけではありません。
お子さまにとっての本当の解決は、「安心して学べる環境を見つけること」である場合もあります。
今の学校にこだわらず、お子さまに合った選択肢を前向きに検討していきましょう。
保健室登校や別室登校という選択肢
教室への復帰が難しくても、「学校の敷地内までなら行けそう」というお子さまの場合、保健室や相談室などで過ごす「別室登校」も有効な選択肢です。
まずは学校という場所に慣れることから再スタートする方法として、担任の先生やスクールカウンセラーに相談してみましょう。
どのような形で登校できるか、時間帯や過ごし方について柔軟に対応してもらえる場合もあります。
別室登校を続けるうちに、少しずつ教室への抵抗感が和らいでいくこともあります。
フリースクールや教育支援センターの活用
学校とは違う環境で、学習や人との交流の機会を提供してくれる場所として、フリースクールや自治体が運営する教育支援センター(適応指導教室)があります。
これらの施設では個々のペースに合わせた学習支援や、同じような経験を持つ仲間との出会いがあり、「学校以外の安心できる居場所」を見つけられることもあります。
フリースクールの中には出席扱いになる施設もありますので、まずは見学や体験に参加してみて、お子さまに合った場所かどうかを確かめてみるとよいでしょう。
地域の教育委員会や支援団体に問い合わせると、近くの施設について情報が得られます。
通信制高校など「環境を変える」選択肢
もし不登校の原因が現在の学校の環境や人間関係にある場合、思い切って環境を変えることも有効な解決策です。
特に高校生であれば、毎日通学する必要がなく、自分のペースで学習を進められる通信制高校やサポート校は有力な選択肢になります。
通信制高校でも高校卒業資格を取得でき、大学進学も可能です。
また、転校やフリースクールへの切り替えなど、「今の環境から離れる」という選択が、お子さまの心の負担を大きく軽減することもあります。
環境を変えることで驚くほど前向きになれるケースは少なくありません。
外部の「支援」機関への相談もためらわずに
.png)
不登校の問題は、ご家庭だけで抱え込むにはあまりに重すぎます。
保護者の方自身が疲れ果ててしまう前に外部の支援機関に相談しましょう。
専門家の客観的な視点が入ることで、思いがけない解決のきっかけが見つかることもあります。
まずは学校(担任やスクールカウンセラー)へ
まず、お子さまが在籍している学校へ現状を伝えることが大切です。
担任の先生や養護教諭、あるいはスクールカウンセラーに相談してみましょう。
このとき、学校としてどのような支援ができるか、また別室登校などの制度が利用できるかを確認することをおすすめします。
学校との連携はお子さまの不登校解決に向けて欠かせません。
専門のカウンセラーや医療機関
登校への不安感が非常に強い、あるいは頭痛や腹痛などの身体症状が出ている場合は、専門家への相談をおすすめします。
教育相談センターや民間のカウンセリング機関、場合によっては医療機関も頼りになります。
不登校の背景に専門的な支援が必要な原因が隠れている可能性も考慮し、早めに相談しましょう。
不登校の子どもを持つ「親の会」
保護者の方自身の心のケアも非常に重要です。
同じ悩みを持つ保護者が集う「親の会」などに参加してみるのもよいでしょう。
情報交換をしたり、気持ちを共有したりすることで保護者の方の孤立感が和らぎ、子どもにも適切に接することができるようになります。
不登校解決のために何をするべき?保護者の接し方まとめ
不登校の解決には時間がかかることも少なくありませんが、大切なのは保護者の方が焦らず、寄り添い続けることです。
まずは十分な休息を認め、対話のきっかけを探り、学校復帰以外の多様な選択肢も視野に入れましょう。
ご家庭だけで抱え込まず、外部の支援も活用しながら、お子さまにとって最善の解決の道筋を探していきましょう。
おすすめコラム