不登校支援の種類を紹介!フリースクールや自治体の支援とは?
2026.01.08

-
進学・進路でお悩みの方
-
授業料・詳細を知りたい方
資料請求
子どもが学校に通えない状態が続くと、保護者として何を優先すべきか分からなくなることがあります。
登校を再開させることだけに意識が向きがちですが、現在は公的な教育支援センターや民間のフリースクールなど、無理に登校を求めず、子どもの状況や気持ちに配慮しながら学びや生活を支える不登校支援の選択肢が広がっています。
本記事では、国や自治体による不登校支援の制度からフリースクールなどの民間支援まで、支援の種類や特徴、利用にあたっての手続き、費用面の考え方を整理して解説します。
不登校の定義とは?国の基準と「30日ルール」を解説

不登校支援の制度や利用条件を正しく理解するためには、まず「不登校」がどのように定義されているのかを押さえておく必要があります。
国の定義は、学校や自治体が支援を検討する際の判断基準にもなるため、保護者の方も正しく理解しておきましょう。
文部科学省による「不登校」の公式定義
文部科学省は、毎年実施している「児童生徒の問題行動・不登校等生徒指導上の諸課題に関する調査」において、不登校を「何らかの心理的,情緒的,身体的,あるいは社会的要因・背景により,児童生徒が登校しないあるいはしたくともできない状況にある者(ただし,「病気」や「経済的理由」による者を除く。)」と定義しています。
この定義で重要なのは、単なる欠席ではなく、「登校したくてもできない状態」である点です。
本人の意思や努力の問題として捉えるものではなく、背景にある要因を踏まえて支援を考える必要があることが示されています。
統計上では欠席日数「30日以上」が目安となる
文部科学省の統計では、不登校として集計される目安は「年度内の欠席日数が30日以上」であることとされています。
具体的には、30日以上欠席している児童生徒のうち、病気や経済的理由による欠席を除いたケースが不登校としてカウントされます。
ただし、この「30日ルール」はあくまで統計上の基準です。
支援の開始や対応の判断において、必ずしも30日を超える必要はなく、断続的な欠席や不登校の傾向が見られる段階から、学校や関係機関が個別に状況を判断します。
【場所別】不登校の子どもが受けられる支援の種類と特徴

不登校支援には、在籍している学校の中で受けられるものから、自治体や民間が運営する学校外の施設まで、さまざまな選択肢があります。
子どもの心理的な負担や生活リズムの状態によって適した支援の場所は異なるため、それぞれの特徴を理解したうえで検討することが重要です。
ここでは、不登校の子どもが利用できる主な支援を「学校内」「自治体」「民間」の3つに分けて紹介します。
学校内で受けられる支援(保健室登校・別室登校)
最も身近な不登校支援として、在籍校の中で教室以外の場所を利用する「保健室登校」と「別室登校」があります。
保健室登校や別室登校は、学校とのつながりを保ちながら、子どもの心理的負担を軽減することを目的とした支援です。
学校ごとに対応の幅は異なりますが、まずは校内でどのような選択肢があるのかを把握しておくと、次のステップを考えやすくなります。
保健室登校(休息と安心感の確保)
教室に入ることへの不安や、心身の不調が強い場合に利用されるのが保健室登校です。
保健室の先生に見守られながら過ごし、学校という環境に少しずつ慣れることを目的としています。
学習を無理に進めるのではなく、安心できる場所で心を休めることを優先する点が特徴です。
別室登校・相談室登校(学習と復帰への準備)
保健室登校よりも活動量を増やせる段階で利用されるのが、別室登校や相談室登校です。
空き教室や相談室、図書室などを活用し、教員やスクールカウンセラーの支援を受けながら過ごします。
個別学習や読書、小集団での活動などを通じて、生活リズムの安定や教室復帰への準備を進めていきます。
自治体が運営する公的支援(教育支援センター)
教育支援センターは、市区町村の教育委員会が設置・運営する不登校支援の公的機関です。
在籍校に籍を置いたまま通所できる点が特徴で、多くの場合、ここでの活動は在籍校の「出席」として扱われます。
学習支援に加えて、体験活動や集団活動を通じて、生活リズムの回復や社会性の育成を目指すカリキュラムが組まれています。
公的機関であるため、利用料は原則無料または低額に設定されており、経済的な負担を抑えながら支援を受けられる点も大きなメリットです。
ただし、対象年齢や通所頻度、支援内容は自治体ごとに異なるため、利用を検討する際は教育委員会や在籍校を通じて詳細を確認する必要があります。
民間やNPOが運営する支援(フリースクール)
フリースクールは、NPO法人や民間事業者が運営する不登校支援施設です。
子どもの自主性を尊重する居場所型の支援から、学習支援やプログラミングなどのスキル習得に力を入れたものまで、内容は施設によって大きく異なります。
自治体が運営する教育支援センターと異なり、授業料や入会金が必要になるケースが多い点には注意が必要です。
一方で、子どもの興味関心や特性に合わせた柔軟なプログラムが用意されている点は、民間ならではの特徴といえます。
なお、フリースクールに通うことで出席扱いになるかどうかは、学校長の判断に委ねられています。
利用を検討する際は、見学や体験とあわせて、在籍校との連携体制や出席扱いの可否についても事前に確認しておくことが重要です。
不登校支援にかかる費用は?補助金や助成金の活用について

不登校支援を検討するうえで、支援内容とあわせて把握しておきたいのが費用面です。
支援の種類によって必要な費用は大きく異なり、公的支援と民間支援では家庭の負担額にも差があります。
ここでは、教育支援センターとフリースクールにかかる費用の目安と、負担を軽減するために活用できる補助金・助成制度について整理します。
教育支援センターの費用|原則無料で利用できる公的支援
教育支援センターは、自治体が設置・運営する公的機関であるため、利用料は原則としてかかりません。
学習支援や体験活動、相談支援などが無償で提供されており、経済的な負担を抑えながら不登校支援を受けられる点が大きな特徴です。
ただし、活動内容によっては教材費や行事費などの実費が発生する場合もあるため、事前に自治体や在籍校を通じて確認しておくと安心です。
フリースクール利用にかかる費用|入学金・授業料
民間のフリースクールを利用する場合、公立学校とは異なり、利用料は原則として家庭の自己負担となります。
文部科学省の調査によると、フリースクールの入会金は平均で約5万3,000円、月額の会費(授業料)は平均で約3万3,000円とされています。
これに加えて、教材費や実習費、施設維持費などが別途必要になる場合もあり、年間ではおおよそ40万〜50万円程度の支出となるケースが一般的です。
公的機関と比較すると費用負担は大きくなるため、事前にトータルの金額を把握しておくことが重要です。
フリースクール利用料助成制度について
自治体によっては、フリースクールの利用料を一部補助する独自の不登校支援制度を設けている場合があります。
たとえば東京都では、認定されたフリースクール等を利用する小・中学生の保護者を対象に、月額上限2万円まで助成する制度が実施されています。
このような制度は、申請後に審査が行われ、要件を満たした場合に助成金が支給される仕組みです。
助成の有無や金額、対象となる施設は自治体ごとに異なるため、居住地の教育委員会や自治体窓口での確認が欠かせません。
利用するには?各支援を受けるための申請と手続きフロー

不登校支援を実際に利用するためには、支援の種類ごとに定められた申請や手続きが必要となります。
学校内支援、教育支援センター、フリースクールでは窓口や進め方が異なるため、保護者が流れを把握したうえで関係機関と連携することが重要です。
ここでは、主な不登校支援について、利用までの一般的な手続きの流れを整理します。
学校内支援を利用する場合
保健室登校や別室登校といった学校内支援を希望する場合は、まず担任の先生やスクールカウンセラーに相談します。
子どもの現状や困りごとを共有したうえで、校内で検討が行われ、登校時間や過ごす場所、関わる教職員などが具体的に決まります。
学校内支援は、子どもの状態に応じて内容が調整されるため、定期的に学校と情報を共有しながら、無理のない形を模索していくことが求められます。
教育支援センターを利用する場合
教育支援センターを利用する場合は、在籍校または自治体の教育委員会への連絡が必要です。
多くの場合、担任や学校管理職を通じて相談を行い、教育委員会と連携しながら利用の可否が検討されます。
一般的な流れとしては、説明や見学、面談、体験通所などを経て、本人が通えるかどうかを確認したうえで利用に向けた手続きを行います。
通所が正式に決まった後は、在籍校と教育支援センターの間で情報共有が行われ、出席の扱いについても連携が取られます。
フリースクールを利用する場合
フリースクールを利用する場合は、各施設へ直接見学や体験の申し込みを行います。
施設ごとに支援内容や雰囲気が異なるため、子どもとの相性を確認することが重要です。
また、フリースクールでの活動を在籍校の「出席扱い」とするためには、学校長の承認が必要となります。
事前に担任や学校管理職と相談し、文部科学省の基準に基づいて出席扱いが可能かどうかを確認しておくと、後の手続きがスムーズです。
手続きに迷った場合は学校や自治体に早めに相談する
不登校支援の手続きは複雑に感じられることもありますが、一人で判断する必要はありません。
在籍校や教育委員会は、支援につなぐ役割も担っているため、迷った段階で早めに相談することが大切です。
支援の選択肢や手続きの流れを把握し、関係機関と連携しながら進めることで、子どもにとって負担の少ない不登校支援につなげることができます。
不登校支援の種類と利用方法|まとめ
不登校は、本人の努力不足ではなく、さまざまな心理的・社会的要因によって生じる状態です。
現在は、学校内支援や教育支援センター、フリースクールなど、子どもの状況に合わせた不登校支援の選択肢が用意されています。
支援を選ぶ際は、学校に戻ることだけを目標にせず、子どもが安心して過ごせる環境を優先することが重要です。
在籍校や自治体と連携しながら、子どものペースに合った支援を検討していきましょう。
おすすめコラム