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通信制高校のスクーリングとは?種類・適切な頻度や学校の選び方も解説

2025.04.23

近年、通信制高校の人気が高まっています。その中で、通信制高校に進学を検討している人の中には「学校に一度も行かなくても卒業できるの?」「スクーリングではどのようなことをするの?」といった疑問を抱いている人は多いはずです。
通信制高校は入学から卒業まで一度も登校せず、高校の卒業資格を得られるわけではありません。年に数回はスクーリング(=対面型授業)を受けに学校や会場に出向く必要があります。
そこで本記事では、通信制高校におけるスクーリングの概要を押さえた上で、スクーリングについて種類と頻度、メリット、スクーリングに行きたくない場合の対応方法などを解説します。

通信制高校におけるスクーリングとは?

通信制高校におけるスクーリングとは対面型授業のことです。
スクーリングでは教科書やプリントを使った座学のみならず、体育の実技、家庭科の調理実習など自宅では難しい学習を行います。また、学校によっては運動会や修学旅行を催すこともあります。
通信制高校を卒業するにはレポートやテストで合格点を取るだけでなく、科目ごとに定められた回数のスクーリングを基本的に受けなければなりません
スクーリングでの態度や学ぶ姿勢も評価項目に入るケースもあります。

スクーリングの目的

スクーリングの最大の目的は、高校卒業資格取得に必要な単位の取得で、いずれの通信制高校でもスクーリングの出席は卒業条件を満たすために欠かせません
また、スクーリングでは各教科における理解を深めることだけではなく、グループワークや体育の実技などを通して人間性の向上も目的としています
実社会では各教科の知識だけでなく、周囲と協力する力、自分の意見を相手に伝える力、必要最低限のコミュニケーションが必要です。スクーリングに参加することで社会に出てから役立つ力を培えます。

通信制高校におけるスクーリングの種類と頻度

通信制高校には複数のスクーリングの種類があり、それぞれ頻度が異なります。
高校生活をよりよいものにする上で、スクーリングの種類と頻度の理解は重要なポイントになります。

通学型スクーリング

通学型スクーリングは週に数回、もしくは月に2回前後、決まった曜日に学校へ通学して授業を受けます。なお、全日制高校のように週に5回通学するタイプもあります。
通学型スクーリングでは友達や教師との交流の機会が多く、充実した日々生活を送れます。また、学校で基本的に勉強するため、自分を律し、計画を立ててレポートを進めるのが苦手な人も安心です。
なぜなら、出席型の授業時間が多いためレポートの負担が少なかったり、教師から手厚いサポートを受けられたりするためです。その他にも、(希望があれば)月に複数回クラブ活動に参加できる、生活リズムが乱れないというメリットがあります。
ただし、通学型スクーリングは通信制高校の中でも通学の頻度が高いタイプになるため、体力に自信がない人、アルバイトや習い事が忙しい人にとっては負担になりがちです。

集中型スクーリング

集中型スクーリングでは、長期休暇(ゴールデンウィーク、夏など)を中心に5~10日程度にわたって連続して授業に出席します。授業が行われる場所は各学校の校舎が多い傾向にありますが、一般の会議室、全国に点在する学習センターなどを利用する場合もあります。
1日あたりの授業時間は長く、かつ数日にわたって授業が続くためこの期間は心身ともに大変です。しかし、スクーリングの開催期間は年に1~2回程度なので、この期間を除けば自由に過ごせます。
集中型のスクーリングであれば、自分のペースで学習しやすく、仕事や習い事との両立も可能です。また、体調不良などで頻繁に外出できない人も、年に5~10日程度参加できれば高校の卒業資格を満たせます。
集中型スクーリングの場合、授業が開催されるのは東京や大阪、福岡など大都市圏が多い傾向にあります。在住エリアによってはこの期間は新幹線で通学したり、ホテルで過ごしたりすることになります。
また、教師や一緒に学ぶ仲間と顔を合わせる機会は年に数回しかないため、友達とのにぎやかな高校生活を思い描いている人は少し物足りなさを感じるかもしれません。

合宿型スクーリング

合宿型スクーリングでは年に1~2回程度、宿泊施設に滞在して3~4日間程度にわたって集中的に授業に出席します。
スクーリングを沖縄などのリゾート地で実施している学校も多く、その土地ならではの文化に触れられます。スクーリングに参加する最大の目的は高校卒業資格の取得であるため授業を受ける必要がありますが、旅行気分も味わえます。
合宿型スクーリングは年に1~2日程度、2~3泊程度と日数はわずかですが、普段とは違う貴重な時間を過ごせることから、生涯にわたる友人ができることもあります。また、体験学習の時間も用意されており、その地域ならではの文化・慣習・食を楽しめます。
通信制高校の合宿型スクーリングは部活や一般の学校の合宿のように厳格な規律に基づいて行われることは稀です。それぞれの個性を重んじ、高校生活の楽しい1コマになるように教師は努めています。
ただし、人と行動することが苦手な人、集団生活に馴染めない人、人見知りが激しい人はストレスを感じるかもしれません。

通信制高校におけるスクーリングのメリット

通信制高校におけるスクーリングのメリットとしては、以下のことが挙げられます。

  • 同じ学校で学ぶ仲間に出会える
  • 自宅学習で分からない箇所を解決できる
  • 学習のモチベーションを維持しやすい
  • 課外活動や学校行事を体験できる

「人と関わるのが苦手」「家庭の事情で時間が取れない」などの理由で通信制高校をお考えの方も多いかもしれませんが、スクーリングでしか得られないものがあります。

同じ学校で学ぶ仲間に会える

通信制高校におけるスクーリングに参加することで、同じ学校で学ぶ仲間に会えます。
スクーリングが一切ないとなれば、自分と同じ学校に在籍している生徒の顔を知らず、卒業してしまうことになります。
しかし生徒同士がスクーリングで同じ時間を過ごすことで友達ができたり、学びの苦労を共感し合えたりします
また、通信制高校の生徒の中には何らかの事情を抱えている人も珍しくありません。そのため、相手の個性を尊重できる人、他人の苦労に寄り添える人も多い傾向にあります。

自宅学習で分からない箇所を解決できる

スクーリングを受けることで一人では解決できなかった部分が分かるようになることもあります。
例えば、勉強で分からない箇所があった時、授業後やスキマ時間に担当教科の教師や一緒に学ぶ仲間に質問することができるため、一人では解けなかった問題が解けたり、他の人の学習方法を教えてもらうこともできます。
また、教師に質問することで、関連情報や問題の解き方のアドバイスをもらうことも可能です。

学習のモチベーションを維持しやすい

スクーリングに参加し、他の人と話したり、授業を受けたりすることで、学習のモチベーションを高めることができるのもメリットの一つです。
仲間たちもレポートに苦戦しながらも励んでいることを知ると、自分も頑張ろうという気持ちになるでしょう。
自宅での個人学習においてモチベーションを保つのは容易ではありません。最初のうちは計画的に学んでいても、途中からレポート学習が止まってしまうケースもあります。
そうしたときに、スクーリングに参加することで、心機一転頑張ろうと思えることもあります。

課外活動や学校行事を体験できる

スクーリングに参加することで、個人だけでは取り組むが難しい課外活動や学校行事を体験でき、通信制高校で様々な刺激を受けることができます。
例えば、通信高校によっては運動会、文化祭、部活動、ボランティア活動、修学旅行など充実した体験をできる学校もあります。高校生ならではの体験をすることで、大人になってからもよい思い出になります。
また、大学進学などの面接において高校時代の思い出、仲間と協力したことを聞かれることもあります。こうしたシーンで、レポートの経験しかない場合、回答に困るでしょう。仲間と何かを共に体験しておくことで、大学進学などの面接時にも話題になります
ただし、通信制高校と一口でいっても、学校ごとに課外活動や学校行事は異なるため、体験の内容は一概にはいえません。

ストレスなく参加できるスクーリングを実施している通信制高校の選び方

通信制高校の生徒として高校生活をうまくのりきれるかどうかはスクーリングも重要なポイントです。
ここでは、通信制高校におけるスクーリングの着目ポイントを紹介します。

スクーリング会場へのアクセスが容易

週に何度か学校に行く場合、自宅から電車などを利用して1時間以内で行ける場所にスクーリング会場があれば負担を感じにくいはずです。
また、スクーリングが年に数回の場合、旅行気分を味わうためにも遠方の地域で開催されるスクーリングを選ぶ人もいます。ホテルや合宿所で過ごす3~4日間は貴重な体験になります。

スクーリングの授業形態の特徴

スクーリングの授業形態も内容も学校ごとに大きく異なるため、学校のパンフレットや学校説明会に参加し、自分に合ったものを見極めてください
例えば、さまざまな体験をしたい人にはレジャー施設などを活用したスクーリングがおすすめです。また、なるべく負担をかけずに高校卒業の資格を得たい人には、自宅近くの学校や会場で開催されるスクーリングがおすすめできます。

スクーリングの費用

スクーリングの費用はスクーリングが開催される場所、スクーリングの内容によって変わってきます。
例えば、週に2回、自宅からすぐの校舎で学ぶよりも、年に1回、3泊4日で沖縄の合宿所で学ぶ方が費用が割高になることもあります。
観光地などでの体験費用や旅館などで食べる食事代は実費となるため、豪華な体験になるほどお金はかかります。
各学校のパンフレットを参照したり、学校説明会にいくつか参加したりして、自分の予算に合った費用の学校を選ぶ必要があります。
なお、スクーリングの費用を割安に抑えたい人には、スクーリングを自宅近くの学校や会場で開催している学校がおすすめです。

学習したい分野のスクーリングの有無

通信制高校の中にはユニークなスクーリングを用意している学校もあります。
例えば、屋久島や瀬戸内海に浮かぶ小さな島で体験学習を実施する学校もあれば、体育祭など高校における定番行事を体験できる学校もあります
自分にとって魅力的なスクーリングがある学校であれば、スクーリングを楽しみにしながらレポートに励むことができます。

スクーリングにどうしても行きたくない場合はどうしたらいい?

どうしてもスクーリングに行けない場合は通信制高校に相談してみてください
オンライン学習などの代替措置を用意している学校、特別な事情(病気や事故のため入院/自宅療養を必要とする、いじめや人間関係など心因的な事情により登校が困難、仕事などで時間の調整がつかないなど)による免除制度を用意している学校もあります
スクーリングに参加できる見込みがない人は入学前にスクーリングについて相談してみることをおすすめします。
なお、スクーリングがいっさいない通信制高校は存在しません。スクーリングに苦手意識があっても年に数回であれば頑張って出席できる人もいます。また、スクーリングに強い嫌悪感があったものの、行ってみたら楽しかったという人も多くいます。

通信制高校におけるスクーリングのまとめ

近年、通信制高校は人気が高まっています。学校側も制服を用意したり、体験型の授業を用意したりと、生徒が高校生活を充実させられるようにスクーリングを取り入れるなど工夫している学校が増えています
また、通信制高校は全体的に中学校や全日制高校よりもそれぞれの個性を尊重する傾向にあり、生徒が高校卒業の資格を取得できるように手厚くサポートしています。
そのため、過去に学校生活に馴染めなかった人、集団行動が苦手な人、自分のペースで学びたい人にとっても心地よい環境であることが多いため、ぜひ特色のあるスクーリングを取り入れている通信制高校を検討してみてください。

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